ソニー、電池組み立てを海外移転 子会社が円高で
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ソニーは21日、子会社ソニーエナジー・デバイス(福島県郡山市)が国内3工場でのリチウムイオン電池の組み立てを2014年3月末までに終え、組み立て作業を中国とシンガポールの工場へ移すことを明らかにした。円高で採算が厳しくなっているため。組み立てが専門の栃木事業所(栃木県下野市)は電池の設計・開発拠点へ転換し、生産に携わる約500人の従業員を対象に配置転換や希望退職募集を検討する。
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福島にあることとか、電力不足の虞とか、そういったことも遠因か?!
「嫌われ者」CO2が人気? 宅配用ドライアイスで脚光
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「嫌われ者の二酸化炭素(CO2)が人気だと聞いたのですが……」。近所の会社員がもたらした情報に探偵、深津明日香は驚いた。「地球温暖化の原因だから減らそうとしているのに、どうして?」。早速、調査に走り出した。事実を確かめようと、まず経済産業省のデータを取り寄せた。「炭酸ガス」の名前で販売したり、自社で使ったりする目的で生産されたCO2は、2010年で約92万トン。6年連続で前年を上回り、10年前に比べ8.5%増えていた。■溶接用は縮小気味「何に使っているのですか」。業界団体の日本産業・医療ガス協会(東京都港区)に問い合わせると、溶接が多いとの答え。金属を溶かしてつなぎ合わせる際、強度を保つためガスを噴きかける。「ただ溶接向けは縮小気味です」。生産拠点の海外移転や景気低迷で、国内の造船や自動車製造が苦戦しているためだ。他にないかと探していると、机の上の炭酸飲料が目に留まった。「そうよ。水にCO2を溶かすと炭酸水になるわ」。全国清涼飲料工業会(同中央区)によると10年の炭酸飲料生産量は約345万キロリットル。カロリーを抑えた商品のヒットなどで4年連続で伸びていた。産業ガス大手の昭和電工ガスプロダクツ(川崎市)に向かった明日香は応対してくれた生野友美さん(46)に自信満々尋ねた。「炭酸飲料人気が追い風になってますよね」。「いいえ。飲料向け全体の販売量は微減です」と生野さん。ビールの劣化防止に使うが、ビールメーカーが自社工場で出るガスを再利用することが多くなったそうだ。「いったい、伸びているのはどこなの?」。明日香が悩んでいると、近所の主婦の声が聞こえた。「宅配を頼むと、冷凍食品のそばにドライアイスを入れてくれるわ」。「CO2が固体になったものがドライアイス。これかも」工業ガス専門誌「ガスレビュー」の資料を見ると、10年度のドライアイス生産量は33万2千トンと10年間で約3割増えていた。チルド(冷蔵)品は保冷剤で十分だが、冷凍食品やアイスクリームを運ぶには、マイナス79度と温度のより低いドライアイスの出番となる。■食の安全担う日本生活協同組合連合会に聞いたところ、全国の生協の宅配売上高は10年度で1兆5700億円と、01年度比で1割伸びていた。調査会社の富士経済(東京都中央区)によれば、食品を扱うネットスーパーの11年の市場規模は781億円と前年の1.4倍に膨らんだもよう。共働きや来店の難しい高齢者が増え、宅配を使う家庭が広がっていることが背景とみられている。ドライアイス最大手、エア・ウォーター炭酸(同港区)の野村和伯さん(39)は「食品の安全に対する意識が年々高まっていることも、利用が進む一因です」と分析する。温度管理が強化され、これまで以上に頼りにされているようだ。「冷やす能力が評価されてるのは間違いない」。さらに調査を進めようと炭酸ガス製造販売の日本液炭(同港区)を訪ねると、藤田公さん(49)が意外な事実を教えてくれた。「美容健康面でも注目されています」。湯船で細かな泡がつく「炭酸泉」が、医療の現場や銭湯、美容院などで取り入れられているという。■作物の生育速める入浴剤でもおなじみの炭酸には、血行をよくしたり汚れを落としたりする働きがあるとされる。炭酸泉は産業用ガスを溶け込ませて高濃度のCO2を含むようにしたお湯。設備の導入費用は比較的安くすむ。三菱レイヨン・クリンスイ(同中央区)の人工炭酸泉装置は、これまでの販売台数が2800台に達している。「でもこれだけ人気だと環境に悪影響が出そう」。不安を覚えた明日香がもう一度日本液炭の藤田さんに質問すると「販売するガスは製油所や化学工場で排出されるものを再利用しています」と答えてくれた。国立環境研究所に聞くと工場から大気中に放出されるはずだった分を加工しているので、量が増えたとは見なさないという。そもそも、産業用として利用されるのは国内のCO2排出量約12億トンの約0.1%だ。聞き込みを続けるうち、排出量を減らすことができる活用法が実践されていることも分かってきた。エア・ウォーター炭酸のグループ会社は、北海道の製油所から出たガスをトマト栽培に利用していた。ハウス内のCO2の濃度を高くすると光合成が促され、成長が速くなったり収穫量が増えたりするという。多いときには1日に7トンのガスを送り込んだところ、収穫量は通常の露地栽培の4倍に。今春には長野県内でも取り組む計画だ。産業技術総合研究所は奈良県などと一緒に、ビニールハウスの暖房機から出るCO2をイチゴ作りなどに再利用する研究をしている。「甘くなって色もよくなり、品質が向上します」と同研究所の鈴木正哉さん(43)。来年度中の実用化を目指している。■エコカー電池にも三菱化学は自社工場の排出ガスを、リチウムイオン電池の原料となるエチレンカーボネート作りに使っていた。電気自動車などに電池は欠かせず、今後も需要増が見込まれるとして同社は昨年、生産能力をこれまでの1.5倍の年3000トンに引き上げた。世界ではCO2を回収し、地中に埋めるプロジェクトが進む。経産省の石井孝裕さん(30)は「回収した分を有効活用しようという試みも、世界的に注目されています」と話してくれた。「資源として役立ち、排出量も減らすことができれば一石二鳥ですよね」。明日香はうなずいた。◇「厄介者だと思っても、いつかは役立つときが来るかも」。机の上をじっと見つめる明日香に所長がひと言。「だからといって、いらないものを処分しない理由にはならないぞ」<お国変われば>中韓、造船での溶接に多用製油所や化学工場などから出た二酸化炭素(CO2)を活用するのは、何も日本に限ったことではない。しかも、国が変われば主な用途も少しずつ異なってくる。
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毒性のないCO2は大気汚染などの公害を引き起こさない。温暖化したら大変だ〜とか言って騒いでる人たちが目の敵にしているだけ?!
トヨタ、リチウム電池生産拡大へ ハイブリッド車用
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トヨタ自動車はハイブリッド車などに使うリチウムイオン電池の生産能力を、2014年にも大幅に引き上げる。21日分かった。約2年後に生産予定の次期プリウス搭載を視野に入れ、量産化で電池の製造費用を半分程度に引き下げる。子会社で、自動車用電池を製造するプライムアースEVエナジー(静岡県湖西市)の生産ラインを増強する方針。年間で約10万台分を生産する方向で検討している。
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英国ガーディアン紙、「原子力支持者」になる!@電気新聞2012.1.18
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災害直後の3月21日、英国ガーディアン紙は「数万人が死亡した自然災害に遭いながら、死に至る放射線を与えていない。私は原子力支持者になった」と書いた。この記事と共通の思いが、事故状況の落ち着きにつれて、外国の指導者に再び芽生え始めたのだ。
福島はチェルノブイリと違って汚染範囲は狭いし、死者はゼロだ。電源が失われても、崩壊熱で動く安全設備は設計通り動き、炉心冷却を続けた。格納容器は水素爆発にも耐え、今日なお放射能の放散を阻む役割を果たしている。軽水炉の安全性は高い。
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石川迪夫氏の電気新聞のコラムより。
日産、ABBと事業化検討 米での使用済みEVバッテリー再利用
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日産自動車は19日、米国で電気自動車(EV)の使用済みバッテリ-再利用について、スイスの重電機器・産業機器大手のABBなどと事業化の検討を始めると発表した。スマ-トグリッド(次世代送電網)の蓄電向けなど市場ニ-ズの調査を進める。
日産は、一昨年発売したEV「リ-フ」のリチウムイオンバッテリ-の2次利用について、国内では住友商事と提携し、共同出資会社「フォ-ア-ルエナジ-」を設立している。米国では、住商の米国法人とフォ-ア-ルエナジ-に加え、ABBとも手を組み、事業化のスピ-ドを上げる考えだ。
今回の提携は商業・産業用の蓄電システムやバックアップ電源などについて、潜在需要の調査や、収益を上げる事業体制の検討、試作システム、技術評価などが対象。採算が合うと判断すれば、事業化に乗り出す。
EV用バッテリ-は、自動車で使用した後も、家庭用のエネルギ-貯蔵やスマ-トグリッドの電力管理システムなど、定置型のバッテリ-として2次利用が可能。すでに、日産は横浜市の本社で、太陽電池で発電した電力をEVのバッテリ-で蓄え、EVに供給する実験を始めている。
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日本のエネルギー・セキュリティを考える~原発問題の本当の危うさ
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(三井物産 槍田松瑩会長の経営者ブログ)
槍田松瑩(うつだ・しょうえい)
1943年2月生まれ。東大工卒。社員が逮捕された不正入札事件により前経営陣が引責辞任した後を受ける形で社長に就任。企業の社会的責任の徹底を従業員に説き続けてきた。09年に現職。日本貿易会会長も務め、日本政府にTPPへの参加を訴えている。学生が学業に専念できるよう、長期化した就職協定見直しの旗振り役でもある
今日は昨年の大震災で深刻な事故を引き起こした原子力発電所の問題について、考えてみたいと思います。
事故以降、「原発は危険だ」「日本もクリ-ンエネルギ-に即時シフトすべきだ」という意見がよく聞かれるようになりました。あの事故で世界中の人々が放射能の問題におびえ、今も福島県をはじめ多くの方々が困難な生活を強いられています。大変な事故であったということはもちろん言うまでもありません。東京電力や政府が今後も引き続き、迅速かつ真摯な対応を取っていくべきだということには、私も全く異論はありません。当然のことでしょう。
そのうえで、今後の原発のあり方と日本のエネルギ-政策については、極めて冷静な議論が必要だと思っています。
私は商社の中でエネルギ-の仕事に長年関わってきており、多少の知識はあるつもりです。昨年末には政府の総合資源エネルギ-調査会の基本問題委員会で委員として議論に加わりました。そこで繰り返し述べたのは、まず原因究明の必要性です。「あの地震と津波によって原子力発電所に何が起きたのか」。あれだけ周囲に深刻な被害を及ぼしたのですから、何が原因だったのか、その客観的かつ科学的な究明が、いの一番にあるべきです。今後を考えるうえで、原因の究明をきちっとしないままに、どれだけ議論しても仕方がありません。
例えば、事故で作動しなかった緊急冷却装置。なぜ止まってしまったのか。津波で電源が被害を受けたのなら、電源の置き場所を変えるべきです。バックアップ電源が不十分なら、十分な対応をしなくてはいけない。地震の揺れで配管が破断されたのなら、耐震設計の問題なわけで、もう一回耐震強度を見直すべきでしょう。複合的な要因がからんでいるのであれば、全体を見直さなければならない。
原因を究明し、まずは、今後の対応策と再発防止策を練る。その議論が抜け落ちているように感じます。「事故が起こったから危ない」「やめようじゃないか」というのは簡単ですが、もっと冷静な分析と議論が必要ではないかと心配しています。
委員会でもお話ししたのですが、世界で原発がざっと400基も動いていて、これからさらに200基も300基も新設される。なぜなら、海外の多くの人たちは、原発からより安価でより安定したエネルギ-を入手できると考えているからです。事故は本当に不幸な出来事ではありますが、大変深刻な事故を経験した日本だからこそ原因究明や改良に注力し、2度と悲劇を起こさないように、原発研究の先頭に立って世界に貢献していく道もあるのではないでしょうか。
アメリカを見てください。スリ-マイル島の事故以降、原発の建設をストップしたため、今では自分たちで1基も作れない。メンテナンスも自国だけではままならない。気がついた時には技術陣もノウハウも残っていないからです。後で方向転換しようにもどうしようもありません。
理想的には、温暖化ガスを排出しない再生可能エネルギ-を活用する方向に進むべきだと思っています。これは間違いありません。しかし、今すぐにそれが可能なのか、という問題がある。日本全体の電力を賄うには全く足りない。しかも、コストが高い。仮にすべての原発を止めて、再生可能エネルギ-で代替するとなると、政府による補助金など相当のインセンティブ(刺激策)が必要なはずです。いったい何年補助を続け、どのぐらいの政府資金が必要なのか。財政問題を抱える日本が本当に電力の買い取り制度等で補助を出し続けられるのか。補助金といっても結局は国民の税金です。最終的に電気代があがり、国民生活が苦しくなり、企業もますます海外に出ていく――こんなことになったのでは元も子もありません。頭の中の理想だけでなく、きちんと現実に照らし合わせた検証が必要です。
原発を考える上で、もう一つ重要な視点は日本のエネルギ-・セキュリティです。
日本には資源がない。原油なんて9割近くを中東に依存しています。天然ガスも世界中から液化天然ガス(LNG)として購入しています。将来的にも海外から買ってくればいいんだという意見もありますが、紛争やテロ、政治的思惑、天変地異などいろんな不測の事態が起きて、日本にエネルギ-が来なくなることも当然想定しておかなければならない。エネルギ-は言うまでもなく国民生活の生命線です。
備蓄すればいいと言っても、わずか90日分の原油ではどうしようもない。これに対して原子力は1年や2年、もっとためるなら数年分でも自国で賄えます。そういう意味でも、原子力はある一定比率を持っているべきだと私は考えます。
リスクはほかのエネルギ-にも当然あります。LNGだって安全対策には細心の注意が必要です。液体にしておくには、マイナス161度という極低温に保持しなくてはいけません。比重の違うLNGを同じタンクに入れると、気化ガスが大量発生し、大変危険な状態になることもあります。あまり知られていませんが、現在東京湾にはLNGタンカ-が年にざっと500隻以上も入って来ています。もちろん輸送や保管などあらゆる面で万全の安全管理をしてはいますが、もしも東京湾内で事故が起きたら、大変な被害が出かねません。技術の検証と安全対策はどのエネルギ-にも必要なのです。
このように考えると、エネルギ-はいくつかの選択肢を持っているべきだと思います。天然ガスとか石炭を使う高効率の火力発電所に加え、再生可能エネルギ-も当然可能な限り導入していく。ただ、これはコストが高いから、国民や国の経済発展が耐えられるスピ-ドで導入する。国民合意のうえなら、5年、10年、20年かけてでもいいでしょう。そして原発は以前目指したような電力供給全体の5割とはいかなくても、少なくとも2~3割は持っていたほうがいいのではないでしょうか。
人類は技術の進歩によって様々な困難を克服し、発展してきました。航空や宇宙、化学など歴史の中では至るところで危険を伴う技術開発に取り組んできました。不幸な事故も多々ありましたが、それを乗り越えるチャレンジの連続が今の文明社会を作ってきたのです。きちんとした事故の原因究明もされないまま、「原発は危険だから、もうやめよう」と片付けてしまっていいのでしょうか。
もちろん色々な意見があるでしょう。それはみんなで議論すればいいことです。ただ、今は感情が先にたって、冷静な議論になっていない印象を受けます。メディアさえもきちんと検証せずに流されているような…一方的に強い風が吹いている時こそ、冷静に議論をしないと後で取り返しのつかないことになるように思います。5年、10年たって「あの判断は間違っていた」と気付いても、遅いのですから。
私がこういう主旨の発言をすると、それだけで「けしからん」と反発を受けます。でも、一方的に意見を封じ込めて、議論をしないというのは、とても危険なことではないでしょうか。
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このような冷静な議論がなされることを切に望む。取り返しがつかないことになる前に...
電圧低下、0.002秒以内で復旧 中部電、新装置開発
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中部電力は19日、瞬間的な電圧低下(瞬低)が起きても、0.002秒以内に復旧できる工場向けの蓄電装置を開発したと発表した。従来の3倍の電力 をためられるほか、電力供給を維持できる時間も2倍の20秒まで伸びた。瞬低や停電の影響を受けやすい半導体や素材メーカーにとっては朗報となりそうだ。中部電管内では、2010年12月、四日市火力発電所(三重県四日市市)のトラブルで0.07秒間、瞬低が発生。東芝の四日市工場が2日間の操業停止に追い込まれたのをはじめ、多くの企業の生産活動に影響が出た。
企業からの改善要望に応える形で中部電は、リチウムイオン電池の原理などを応用し、工場に備えられている自家発電設備が動き出すまで電力を供給できる 「つなぎ役」の開発に成功。昨年末から合成ゴム大手のJSR四日市工場で実証実験を始めており、14年には電力会社としては初めて商品化する見通し。
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0.07秒の変動でクレームがつく世界。そんなことができるだけないように普段から努力しているのが現在の電力業界。発送電分離をしてしまうと、電気の品質は低下し、日本の産業の競争力は低下することになるだろう。
湯川秀樹博士の予言、原発が直面する輸入技術依存のツケ
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原子力発電所の安全性に対する不安を増幅させるような出来事が相も変わらず次々に生じている。昨年夏以降、原発関連の公開討論やシンポジウムでの「やらせ」問題が続々と発覚し、そのうち九州電力では社長、会長の辞任に発展。また、独立行政法人原子力安全基盤機構(中込良広理事長)では「検査手順書の丸写し」や管理ミスによる原発監視システムの停止など緊張感を欠いた組織の実態が表面化している。未曽有の事故の直後にもかかわらず、なぜ体質改善の兆候がないのか。55年前、日本の原発導入は時期尚早と原子力委員会委員を辞任した湯川秀樹博士(1907~81年)の“予言”は不幸にして的中している。原発を巡る会合での「やらせ」問題は北海道電力や東北電力、中部電力、四国電力でも判明している。九電のケ-スが特に注目を集めたのは、同社自ら事実解明のために設置した第三者委員会の調査報告に異を唱え、首脳陣の意に添わない部分を無視したほか、国会の場で一度は辞任を示唆した真部利応社長がその後辞意を撤回したような言動を続けたからだ。そもそも九電の「やらせ」問題とは、玄海原発(佐賀県玄海町)2、3号機の再稼働に向けて経産省が昨年6月26日に開いた佐賀県民向けのテレビ中継説明会において、事前に九電幹部が社内や関係会社向けに「再稼働賛成」の投稿をするようにメ-ルで呼びかけたというもの。調査を行った第三者委は9月末にまとめた調査報告で「やらせ」メ-ルのきっかけを、再稼働賛成意見が増えることを期待すると九電幹部に語った古川康・佐賀県知事の発言にあったと認定したが、真部社長は「無実の方に濡れ衣を着せるわけにはいかない」と記者会見で真っ向から反論した。さらに、第三者委の報告を受けて同社が10月半ばに経産省に提出した最終報告書でこの知事関与の部分を削除したことから、第三者委の委員長を務めた郷原信郎弁護士と激しく対立。所管大臣である枝野幸男経産相は第三者委の調査を支持する一方、「(九電の対応は)理解不能」「会長、社長の行動が原発周辺の住民の理解を得られるとは思えない」などと九電を厳しく批判した。結局、第三者委の報告書がまとめられてから3カ月以上が経過した今月12日になって、九電はようやく真部社長、松尾新吾会長がそろって3月末に辞任する人事を発表した。最後は白旗を掲げる格好になったとはいえ、所管大臣や第三者委を向こうに回して不祥事の事実解明を曖昧にし、自らの“延命”を図ろうとしているように映った九電首脳のモラルハザ-ド(倫理観の欠如)ぶりは、福島第1原発事故で電力業界に厳しい視線が注がれた直後のことだけに一層際立った。一方、原子力安全基盤機構の問題からも福島第1原発事故後の危機的状況下とは思えない「弛んだ雰囲気」が伝わってくる。「検査手順書の丸写し」とは、同機構が原発用核燃料などをチェックするための検査手順書(要領書)を作成する際、検査対象先である神奈川県横須賀市の核燃料加工メ-カ-に原案を作らせ、表紙などを差し替えただけのほぼ丸写しの状態で正式な要領書として採用していたもので、新聞報道で発覚した。丸写しを認めた同機構担当者は、独自に要領書を作成するべきではないかとの指摘に対し、「必要なデ-タはメ-カ-でなければ持っていないから協力してもらっている。自前で作ることは不可能ではないが、そんなことをしていたら日が暮れる」とコメントしている(2011年11月2日付毎日新聞朝刊)。その後、事態を重視した枝野経産相の指示で、同機構の検査手法や体制を検証する第三者委員会(委員長・柏木俊彦大宮法科大学院大学長)が発足。1月12日に第三者委が提出した報告書では、同機構が設立された2003年当初から「要領書の丸写しが常態化するなど、依存体質があった」とし、「検査の独立性に疑念を抱かせる」と現状を批判している。同機構は、99年に茨城県東海村で起きた核燃料加工会社JCOの臨界被曝(ひばく)事故や02年に発覚した原発検査を巡る東京電力のトラブル隠しなどの反省を踏まえ、原子力安全・保安院の機能を補完・支援する組織として設立された。原発や核燃料の検査、全国の原発監視システムの管理などを手がけている。職員は417人(11年10月現在)。機構のサイトには「原子力の安全確保に取り組む専門家集団」という看板が掲げられている。ところが、「丸写し」問題が象徴するように、実情は看板倒れも甚だしい。機構は10年度に非破壊検査技術実証など6分野17テ-マに及ぶ安全研究を行ったとされ、国から77億5,000万円の研究費を受け取っているが、人件費を除く費用の85%を原発関連の公益法人やメ-カ-などへの外注費に回していた(11年12月26日付東京新聞朝刊)。こんな体質であるがゆえに、本業の原発検査でもミスが頻発している。04年から06年にかけ、実施済みと思い込んで一部の検査をしなかったことが4例(九州電力玄海原発、川内原発、中部電力浜岡原発、日本原子力発電東海第2原発)あったのをはじめ、08年に東電福島第1原発の圧力容器安全弁に対する検査を誤った方法で実施して合格させていたほか、09~10年には関西電力大飯原発で関電の検査資料の不備を見落として一部の検査を実施しなかったことが明らかになっている。最近では昨年末、全国の原発の運転状況を監視する「緊急時対策支援システム(ERSS)」が1日以上表示不能になるトラブルを引き起こした。原子力安全・保安院からERSSの管理を委託されている原子力安全基盤機構がメンテナンス作業を怠り、デ-タを保存するメモリ-が不足したために情報表示のソフトが機能しなかったことが原因だった。しかも、このトラブルを12月30日午後0時半ごろに把握していながら、翌31日午後3時すぎまで発表しなかったという二重の失敗を犯している。チェルノブイリ級の「レベル7」という最悪の事故発生からまだ1年も経過していない。各地の原発は定期検査(13カ月未満に1度)入りを機に次々に運転を停止し、4月には国内54基すべてが止まる見通し。電力業界は供給不足への懸念や代替発電の燃料コスト増などを理由に一刻も早い再稼働を望んでいるが、電力会社のコ-ポレ-ト・ガバナンス(企業統治)や安全性を支える検査体制への不信感が拭えない中で、政府や周辺自治体は果たしてゴ-サインを出せるのだろうか。福島第1原発の事故をきっかけに、日本の原発は政策面でもビジネス面でも行き詰まり感が出ている。この現状を半世紀以上前に予見していたのが、49年に日本人として初のノ-ベル賞(物理学賞)受賞者となった湯川博士である。56年に初代原子力委員長に就任した正力松太郎国務相(1885~1969年)の働きかけで、湯川博士は5人の原子力委員の1人に名を連ねた。だが、就任当初から「米国の技術を輸入して5年間で原発を実現したい」と意気込む正力氏に対し、「輸入技術への過度の依存は自主性を妨げる」と湯川博士は強い懸念を示していた。結局、就任からわずか1年余りの57年3月、湯川博士は「神経性の胃腸障害」を理由に原子力委員を辞任した。湯川博士は決して反原発の立場ではなかったが、軍事転用の危険性を含め原子力の巨大エネルギ-に対する警戒感は人一倍強かった。また、「自主性」を重んじる姿勢は当時の第一線の科学者に共通するもので、湯川博士に続いて65年に日本人2人目のノ-ベル賞(物理学賞)受賞者となった朝永振一郎博士(1906~79年)も54年に「外国の秘密のデ-タを教わって、物もついでにもらってやれば早道かもしれませんが、それは限られた範囲のなかでの早道で、日本全体の進歩というのではない」と語っている。湯川、朝永両博士が主張した「自主性」とは、自前の技術を生み出す気構えであり、戦後の高度成長期以降「ものづくり立国」を目指した日本の産業技術の道筋を示したものと解釈できる。外国の技術を翻訳するだけでは、装置を動かすことはできても、製品を進化させることはできない。現在日本で稼働可能な原発はウエスチングハウス社(WH)が開発した加圧水型原子炉(PWR)、ゼネラル・エレクトリック社(GE)が開発した沸騰水型原子炉(BWR)で、いずれも米国メ-カ-発祥のもの。日本勢では三菱重工業がPWRを、東芝と日立製作所がBWRをそれぞれ手がけ、さらに06年には東芝がWHを買収して傘下に収めてはいるものの、新型炉の開発など原発分野の重要なイノベ-ション(技術革新)は今でも米国の企業や研究機関が発信源になっている。自前の技術がなければ、イノベ-ションもない。さらにイノベ-ションを競う環境がなければ、研究者も技術者も育たない。日本の“原子力ムラ”が安全神話にどっぷりと浸かりリスクに鈍感になった背景には、湯川博士が警鐘を鳴らした「輸入技術への過度の依存」がある。福島第1原発事故の後、しばしば引き合いに出される数字の中に、原発の安全を担う人員規模の日米格差がある。米原子力規制委員会(NRC)の技術者約3,000人に対し、日本の原子力安全・保安院と原子力安全基盤機構で専門知識を持つ検査職員らは合わせて約200人。米国内の原発は104基で日本の54基のほぼ2倍ということを考慮すると、米国並みに安全スタッフを充実させたければ日本でも1,500人の人員が必要ということになる。しかもNRCの検査官は厳格さで定評があり、無通告で抜き打ち検査を行う。日本では前述のように検査デ-タ収集の外注などは日常茶飯事のようだが、NRCでは検査官が自ら検査機器を原発に持ち込んで必要な情報を集めることが珍しくない。要するに質量ともに、日本の原発の安全を支える体制の貧困さばかりが目立っている。政府は4月に原子力安全・保安院を解体し、原子力安全庁(仮称)を新設して原発に対する安全規制を強化する方針だが、器をいくら作り替えても中身がなければ意味がない。新設の原子力安全庁は、原発推進機関である資源エネルギ-庁を傘下に持つ経産省から切り離し「推進と規制の同居を解消する」とうたうが、それで安全行政が即座に機能向上するかというと、話はそれほど簡単ではないだろう。米国のNRC並みにスタッフを増強するとすれば単純な数合わせだけでも、現状の保安院と安全機構の人員を7.5倍に拡大することが必要。だが、人材育成はうまくいったとしても時間を要する。その間いかに安全を維持するのか、明確な方向性はまだ示されていない。原発再稼働に国民の同意を求める道は険しい。湯川博士が警告した「輸入技術への過度の依存」のツケが、半世紀の時を超えて巡ってきている。
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「自前の技術がなければ、イノベ-ションもない。」
経営モデル世界に後れ 「カンバン」だけでは勝てず 第3部 製造業の明日(1)
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「たたきのめすためなら銀行に眠る400億ドルだってつぎ込むさ」
昨秋、出版された故スティ-ブ・ジョブズの公認伝記。見せ場の一つは後半、アップルの技術を盗んだと憤慨して、ジョブズがグ-グルに対し激しい言葉を浴びせる場面だ。
■製造前に現金回収
実際には使うことはなかっただろう。だが、驚くのはアップルの現金を生む力だ。同社の手元資金は現在760億ドル。米政府の現金残高とも肩を並べる水準だ。その強さはどこから来るのか。
ヒントは一つの財務指標にある。「キャッシュ・コンバ-ジョン・サイクル(CCC)」。在庫と売掛金、買掛金を比べ、製品の製造から現金回収にかかる時間を探る指標だ。
2010年度はソニ-やパナソニックが約40日だったのに対し、アップルはマイナス20日。「iPhone」や「iPad」は実は、製造する20日前には回収を終えていることになる。
アップルは製品にこだわるだけではない。商品力を武器に、通信会社などと販売代金を前金で受け取る契約を結ぶ。製造は台湾企業などに委託し、流通段階ではケ-ブル1本まで、販売情報を常時集めている。開発、製造、調達、流通。さらにはネット上での消費動向を一気通貫で把握し、資金回収を最大化する。
調査会社フォ-イン(名古屋市)の推計によれば、日本の自動車メ-カ-は昨年、3年連続で世界シェアを落とした。最もシェアを伸ばしたのは韓国の現代自動車だ。東日本大震災や円高だけが原因ではない。
■現代自はIT駆使
「日本のかんばん方式はもう脅威ではない」。現代自のある幹部はこう言い切る。「かんばん」はトヨタ自動車が編み出した効率経営の手法だ。在庫などの状況を正確に把握するという点で00年代までは日本車の競争力の源泉だった。
だが、IT(情報技術)が進化し、海外の自動車業界でもかんばんと同等の情報管理ができるようになった。「日本の効率経営手法はコモディティ-(日用品)化した」だ。
韓国の華城市。現代自の主力拠点の一角に、海外の工場内を監視するモニタ-室がある。ITを駆使し異常が起きると韓国から指示を出し、直していく。工場は一気に大きくつくる。工程は自動化に徹する。販売を伸ばすためにマ-ケティングや広報・宣伝部門に資金を惜しまない……。
現代自は品質面ですでに米欧の調査会社から日本車と同等の評価を受ける。最近は顧客満足度にも力を入れ、日本のメ-カ-の上に立つことが増えた。京大教授の塩地洋(56)は「ものづくりに偏る日本のメ-カ-より広い軸で経営を考えている」と分析する。
良くも悪くも日本企業はものづくりの現場である工場の権限が強い。工場ごとにカイゼン活動を展開し、個別最適で進化を続けてきた。競争力は全体最適で追う時代だ。態勢はどう立て直していけばいいか。
日立製作所社長の中西宏明(65)は最近、IBM、ゼネラル・エレクトリック、シ-メンス、ABBの首脳と定期的に情報交換をすることで一致した。
「スマ-ト・トランスフォ-メ-ション」と名づけ、始めたプロジェクトは、米欧企業の手法を比較し、調達、製造、物流などのあり方を再定義(トランスフォ-ム)していく。「今後は米欧、韓国企業と経営のモデルを競い合う時代が来る。それにどう打ち勝っていくか」。中西は言う。
三菱総合研究所によれば、新産業の期待が高いロボット市場は、今の機能の延長線では35年に2.7兆円にしかならない。だが用途を広げ、サ-ビスによる付加価値も取り込めば20兆円に拡大できる。
同じように電機も自動車も、2倍以上に市場を拡大することが可能という。モノだけでなく、あらゆる段階で付加価値を積み上げる事業構造への転換。それこそが日本の製造業が勝ち残るカギになる。
日本経済をけん引してきた二大エンジン、自動車・電機の推進力が落ちている。何が問題なのか、突破口はどこにあるのか。製造業の明日を探る。
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日本の効率経営手法はコモディティ-化したんだってさ〜
住友ベークライト、電気自動車用電池部材を量産
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住友ベ-クライトは電気自動車(EV)などに使うリチウムイオン電池用の負極材を量産する。10億円強を投じて3月末までに秋田県の拠点に生産設備を導入する。住友ベ-クが開発した負極材は高速で電気を充放電でき、EVの加速性能の向上が期待できる。今後需要が増える自動車用の負極材市場への参入で、2015年度に売上高約60億円の主力事業に育てる。負極材はリチウムイオン電池の主要4部材の1つで、これを固めて負極にする。子会社の秋田住友ベ-ク(秋田市)の工場内に生産設備を設ける。生産能力は最大で年600tを見込むが、需要に合わせて一段の増産も検討する。リチウムイオン電池は主にスマ-トフォン(高機能携帯電話)やパソコンなどに使われるが、今後はハイブリッド車やEVなどの普及で自動車向けの需要が大幅に増える見通し。部材は日本メ-カ-の技術力が高く、負極材最大手の日立化成工業は約4割の世界シェアを握る。住友ベ-クは負極材では後発組だが、高強度で絶縁性が高いフェノ-ル樹脂系のハ-ドカ-ボンを炭化した負極材を開発した。現在の黒鉛系の負極材に比べてイオンが効率的に出入りするので充放電しやすい。国内外の電池メ-カ-から評価を受けて一部で採用が決定したため、量産に踏み切る。
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